【北京=林望】訪中している鳩山由紀夫・元首相は16日、北京で賈慶林(チアチンリン)・全国政治協商会議主席や楊潔●(●は竹かんむりに褫のつくり、ヤンチエチー)外相らと会見し、両国が対立している尖閣諸島について、領有権を巡る「係争地」であることを双方が認めた上で解決を探るべきだとの見解を伝えた。 15日に「文化交流」名目で北京入りした鳩山氏は、賈主席や楊外相、唐家●(●は王へんに旋)元外相らと相次いで面会。尖閣諸島について「係争が起きていることは事実だ」とし、「(中国側が国交正常化時に日中間で合意があったと主張する領有権の)棚上げの方向に戻ることが大事だ」との考えを伝えた。賈主席や楊外相ら中国側からは「同意する」との回答があったという。 日本政府は尖閣諸島について、「領土問題は存在しない」との立場。中国政府の主張に沿う形の元首相の発言が「中国側に利用される」(日中関係筋)との懸念がある一方