野口悠紀雄(早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授) 【第10回】 2008年01月28日 データ保存の基本思想に大転換を迫るグーグルのGmail 私は、去年の4月から、メールの送受信にグーグルのGmailを使っている。 それまでは、日本のあるプロバイダが提供するメールサービスを利用していた。1980年代の、まだ「パソコン通信」(なんという懐かしい名前だろう!)と呼ばれていた時代からである。このサービスが開始されてまもなく使い始めたので、ほぼ20年間使ったことになる。1990年代の中ごろ、それまでパソコン通信を使っていた人たちがつぎつぎとインターネットメールに移行していったときも、「律儀に」ここにとどまった。 しかし、最近になってとみに使い勝手が悪くなったと感じたので、離れざるを得なくなった(ただし、元のアドレスに来たメールはGmailに転送されるようにしてあるので、アドレス変更の通知