ボサノヴァとは何か〜ジョアン・ジルベルトへの旅３ - 日経トレンディネットボサノヴァとは何か、という問いに答えることは簡単なようで、実はけっこう難しい。それはボサノヴァをどう捉えるか、という問いかけでもある。 「1958年から60年代初頭にかけてリオ・デ・ジャネイロとサンパウロを中心に流行した音楽」と、ひじょうに狭く規定することもできるし、「ジョアン・ジルベルトとアストラッド・ジルベルトとワンダ・サーが歌えば何でもボサノヴァさ」とミュージシャン単位でとらえることもできる。 もっと大雑把に「ボサノヴァ・スタイルのギターで弾けば、何でもボサノヴァ」という主張もあるだろう。実際、これが最も現実的なボサノヴァを言い表しているような気がする。ガットギターによる、あの独特のシンコペイションのギターが入っていれば、「いそしぎ」も「上を向いて歩こう」も「ボサノヴァ」として聴けるだろう。 ブラジルの音楽学者(名前は失念した)が「ボサノヴァとはギターのスタイルのこと」と、すでに60
