MLBセントルイス・カージナルスのファンにとって、リック・アンキールという選手は、実に複雑なステータスの人物であります。 「USAToday」紙から最優秀高校生選手に選ばれるなど、プロ入り前からその投手としての実力を買われていたアンキール選手。ドラフト指名でカージナルスに入団。2年間のマイナー修行を経て2000年に開幕メジャー入りを果たします。20歳という若さで先発投手として活躍し、11勝7敗、防御率3.50の成績をはじき出し、同球団の若手スター選手として活躍しました。 ところが同シーズンのプレーオフ、対ブレーブスとの第1戦で先発選手として登板した際、突然の暗転が彼を待ち受けていました。何かが崩れるかのように、アンキール選手はいきなりコントロールを失ってしまったのです。ストライクはおろか、捕手がまともにキャッチできないほどの暴投……。その結果、1イニングにワイルド・ピッチ5つという、189