千葉県松戸市の馬橋駅から流山市の流山駅までをつなぐ全線6キロ足らずの流鉄流山線は、日本の鉄道会社で唯一、公式のホームページを持たない。そんなこともあり、地元の利用者や鉄道ファン以外にはあまり知られておらず、日本一知名度が低いといえるかもしれない。 かくいうぼくもよく知らなかった。 このIT全盛の時代に、インターネットによる情報発信に血道をあげる鉄道事業者が多い中、まさに我が道を行くといった心意気を感じる。
南国の離島というものは、なんとも魅力的なものである。 サンゴが砕けた白い砂、様々な色彩織り成すクリアな海、突き抜けるような青空に、目を焼くような強い日差し。のんびりとした空気がゆるゆると流れる、喧騒とは無縁の世界。 先日、日本の南西端に位置する八重山諸島に行く機会があった。そこに散らばる島々は、まさにそのようなイメージ通り。いや、それだけではない。それぞれの島ごとに違った個性があり、独特の風情を醸していたのだ。 1981年神奈川生まれ。テケテケな文化財ライター。古いモノを漁るべく、各地を奔走中。常になんとかなるさと思いながら生きてるが、実際なんとかなってしまっているのがタチ悪い。2011年には30歳の節目として歩き遍路をやりました。2012年には31歳の節目としてサンティアゴ巡礼をやりました。(動画インタビュー) 前の記事:東京でも学校建築を見るべきだ > 個人サイト 閑古鳥旅行社 Twi
奈良県の大和八木駅から、和歌山県の新宮駅まで、「新宮特急」という日本一長い路線バスが走っている。その事を聞いたのは、果たしていつの事で、誰からであっただろうか。 片道6時間半、ひたすら紀伊半島の山間部を走り続けるというそのバスは、鈍行な旅行が好きな私に極めて強烈な印象を与えた。そして、いつかの日、乗らねばないだろうと思っていた。 その、いつかの日が今来たのだ。とある土曜の朝の9時、私は近鉄大和八木駅のバスロータリーに降り立った。 (木村 岳人) 紀伊山地を縦断する路線バス 新宮特急は、紀伊半島の山地を縦断する国道168号線を走り、大和八木駅から五條、十津川、熊野本宮を経て、和歌山県と三重県の境に位置する新宮駅へ至るバスである。 その走行距離は169.9km。停留所の数は、何と167ヶ所にも及ぶという。特急という名を冠すものの、八木から新宮までの所要時間は片道6時間30分と極めてスロー。高速
先日、一通のメールが私宛に届いた。 「観光庁の産業観光モニターツアーとして、琵琶湖疏水(びわこそすい)のツアーを実施するのですが、木村さんも参加してみませんか?」 産業観光モニターツアー?はて、聞きなれない言葉であるが、それはどのようなものだろう。産業とか、モニターなどという言葉が付いている分、普通の観光ツアーとは違うのだろうが、一体、何が違うのだろうか。 折りしも、このツアーの主題である琵琶湖疏水には、少なからずの思い入れがある。折角のお誘いでもある事だし、私は二つ返事でその琵琶湖疏水ツアーに参加してみることにした。 (木村 岳人) 観光庁の新たな試み、産業観光 この琵琶湖疏水ツアーのお話をいただいたのは、今回のツアーの企画、実施を担当されている、株式会社ティー・ゲートの冨澤さんという方からだった。 私は以前、当サイトで「琵琶湖疏水をたどって京都まで」という記事を書かせていただいた。この
日本最後の清流と名高い、四万十川。それは高知県西部、津野町の山中に端を発し、中土佐町、四万十町、四万十市を通って太平洋へと注ぎ出る。その距離、およそ196km。 地図帳を開き、ぐねぐねと蛇行を繰り返す四万十川を指でなぞりながら、私は思った。この四万十川を河口から源流まで、遡ってみる事はできないだろうか。 少し調べてみた所、これが何とかなりそうだ。というワケで、7月の3連休を利用して、四万十川に行ってきた。 (木村 岳人) 河口から中江崎までは自転車で これまで何度か言ってきた事を繰り返すようで恐縮だが、私は自動車免を持っていない。故に今回もまた、公共交通機関、および己の身体のみを駆使して行かねばならない。 幸い、河口付近の土佐中村までは土佐くろしお鉄道中村線が通じており、さらに中村ではレンタサイクルを借りることができる。しかもこのレンタサイクル、四万十川を上ったその先、JR予土線の中津川駅
JR九州には素敵観光列車がいくつもある。 ゆふいんの森、はやとの風、いさぶろう・しんぺい、あそ1962、SL人吉…。 そこに2009年10月、宮崎を走る観光列車「海幸山幸」が新たに登場した。車両デザインはJR九州の数々の素敵列車をデザインした水戸岡鋭治先生。 これは乗らねばっ!! …と思いつつも、宮崎は遠くてなかなか乗りに行けなかった。 が、ようやく乗ることができたのでレポートします。 (T・斎藤)
みなさんはご存知だろうか。かつて列車のボックス席には、「栓抜き」が備えられていたことを。 とある本を読んで久々にその存在を思い出し、ひとりで大いに唸った。うろ覚えだけど、あったなあー、あったよ、うんあった! 気になって調べてみたところ、東京近郊の列車にも未だに栓抜きの備わった車両があるという。がぜん気が気でない。その栓抜きで、栓を抜くのだ。持参のビールの、栓を抜くのだ!こうなったら発つしかない、栓抜きを探す旅へー (乙幡 啓子) いい日 栓抜き その本というのは、交通新聞社新書「ニッポン鉄道遺産 列車に栓抜きがあった頃」。そう、副題にズバリ栓抜きとある。今や家庭にあってもビンビールくらいにしか使わない栓抜き。それがまだ、日本のどこかの車両で、私を待っている。 本にはJR大糸線の栓抜き列車のことが書かれていたが、なるべく自分の住む東京都内から近い場所で探してみようと思った。ローカルな路線と栓
空の色の変化を絵画のように鑑賞できる館に行ってきた。 まるで天井に貼り付けた折り紙が刻々と色を変えるような、自然の光のプログラム。 毎日行われている「日暮れ」と「夜明け」をこんなに感動的に見る方法がありました。 (ほそいあや) 新潟県十日町市「光の館」 光の館は「ジェームズ・タレル」という建築家が設計した建物であり、美術作品でもある。 この建物は全体的にかっこいいのだが、なにが一番すごいかというと、屋根がスライドして直に空を仰ぐことができること。 屋根がスライド!?どんな基地だ。と構えてしまうが、瞑想のためのゲストハウスとして構想されている「House of Light」という名の通り、自然の様々な光と向き合う事をねらいとした造りになっている、という事らしい。 ようは屋根がスライドするのは空を見るためだと言うのか?空を見るならテラスでもよかろうに、と初めは意味がわからなかった。 昼間は内部
1日目は豊肥本線を走る「あそ1962」、久大本線を走る「ゆふいんの森」という2つの観光列車に乗り、最後は新幹線で鹿児島まで来た。2日目は肥薩線を走る観光列車「はやとの風」「いさぶろう・しんぺい」、そして4/25に登場したばかりの「SL人吉」に乗って熊本に向かい、最後は自宅の長崎まで行く。 2日目のルート ・鹿児島中央⇒吉松 ~はやとの風2号 (9:27⇒11:03) ・吉松⇒人吉 ~しんぺい2号 (11:42⇒12:56) ・人吉⇒熊本 ~SL人吉 (14:39⇒17:21) ・熊本⇒鳥栖 ~リレーつばめ54号 (17:28⇒18:29) ・鳥栖⇒長崎 ~かもめ43号 (18:45⇒20:25) T: 2日目の旅は鹿児島中央駅からスタートです。 あ: この緑の!と思ったら乗ってないんですね。九州の電車は色がカラフルですね。 T: 古い車両にもとりあえずド派手なカラーリングが施されて見栄えが
JR九州が土日の2日間、特急でも新幹線でも乗り放題で1万円(!)というのを期間限定でやっている。今年で3年目。行きたい行きたいと思いつつもこれまでなかなか行けなかったが、ついに行って来たのでそのレポートをお届けしたいと思う。 今回は、あまり鉄道には興味が無いという編集部・安藤さんと対談しながら進めることにした。少しでも間口が広く、読みやすくなるようにとの心遣いのつもりです。 (T・斎藤)
今年のゴールデンウィークは皆さんいかがお過ごしでしたか。私は所用で南下してきました。といっても日本列島、それも本州内ですが、せっかく南下するんだからとあえて新幹線は使わず、再び「サンライズ出雲」に乗ることにしました。3月に「見てきてジャーニー」で乗って以来、寝台列車に恋をしてしまったのだ。今度は終点、出雲市まで行ってやろうと。 そしてどうせ行くならあの出雲大社だ、ということで「寝台列車ありき」の出雲参拝となったわけですが、そこには何やらでかいものがあるというのです。でかいことはいいことだ。でかいもの、見たい。参拝よりもそっちに気をとられて一人旅してきました。 (乙幡 啓子) どうしてもサンライズ出雲のことから話を始めることになる GW中のチケットである、とれないと大変なので発売開始とともにみどりの窓口へ走ったが、乗ってみたら意外とすいてた、サンライズ出雲。でも乗るまでの1ヶ月間、財布の中に
愛知県豊川市にある豊川稲荷に、狐の石像が1000体以上祀ってある一角があるらしい。 そこで遭遇したちょっと変わった光景を紹介したいと思います。 (ほそいあや) 豊川稲荷とは 稲荷と呼ばれているが実は「豊川閣 妙厳寺」というお寺なんだそうだ。 でも正面にそびえる鳥居といい、日本三大稲荷のひとつで有名な事といい、ここがお寺だと知っている人も少ないのではと思う。
海外旅行というとツアーや代理店のお世話になるんではなく、チケットだけ買って自由に行こうぜ!てな方がカッコイイ、気がする。いや正確には「してた」。しかし実際は手っ取り早く便利な方がいいわけで、先達はあらまほしきかな&老いては子に従え、ということで最近は旅行代理店にお世話になることが多い。親子じゃないけど。 ただ、旅行代理店でもフツーに安く手っ取り早くというだけでない特殊なジャンル限定のツアーを扱ってる店がある。ある地域限定とか、ある趣味嗜好の方限定とか‥。ある人にはスゴく使える旅行情報を聞いてきましたよ。 (大坪ケムタ) 実際行った人の話はネットとは違います ちなみに旅行代理店という仕事を今さらのように説明しておけば、航空会社からのチケット手配からホテルの予約、ひいてはツアーの提案などの旅行に関するセッティング全般を旅行者になりかわってやってくれるお店。 もちろん観光地向け旅行が中心となるわ
「どこどこではなんとかの花が早くも満開で、訪れた観光客の目を楽しませています」 新聞の地方欄やテレビニュースの最後(たいてい天気予報の前)でよく目にする内容である。花が咲いたという情報だ。 こういってはなんだが、花は毎年咲く。ニュース性はあるのだろうか。いや、僕が分かってないだけで、とても大切なことなのかもしれない。花を見に行くというのはどういうことなんだろう? (桜の季節に花見をしたことはあるが、あれは花を見ていない) 先日、伊豆では早咲きの菜の花が咲いたというニュースを見た。それだ。菜の花を見に行こう。(林 雄司) 男3人にしました 菜の花、花のなかでも地味な花である。ガーベラ!のような派手な響きもなければ薔薇のような艶やかさもない。文化系だ。擬人化するならばきっと眼鏡を掛けているような花だ。 今回、花を見る趣味がない男同士で行ったほうが企画の輪郭がはっきりすると思い、現在無職で時間に
今回の旅は、160円で行く福岡一周の旅。JRの大都市近郊区間の運賃特例を利用し、安く長々と鉄道の旅を楽しみたいと思う。ゲストは福岡在住の作家・三崎亜記さん。 …って、いつからデイリーポータルは旅サイトになったんだ?と思われるかたもいるかもしれない。が、今回はそういうノリで行きたい。 大都市近郊区間って何? なぜ三崎亜記さんが? という説明はこれからゆっくりしていこう。 (T・斎藤) 大回り 東京・大阪など大都市では、料金計算を簡略化するため、行き先が同じならどこを通って行っても同じ料金にする大都市近郊区間の運賃特例というのをやっている。それが行われているのは東京・大阪・福岡・新潟の4都市。 これを利用して、博多のひとつ隣りにある吉塚駅にて一駅分(160円)の切符を買い、グルッと反対方向に大回りして博多に行こうというのが今回の旅だ。 鉄道ファンには有名な遊びで、「大回り」などと呼ばれている。
福井県小浜市がオバマ氏を応援してることは有名だ。米大統領選挙を制して次期大統領となることが決まった時も小浜市民が歓喜する様子がニュース等で伝えられていた。 が、しかし名前が同じということで盛り上がってるのは小浜市だけではない。長崎県は雲仙市にある小浜温泉でも、同様にオバマ氏を応援、当選の際は大いに盛り上がっていた。 が、その様子が福井の小浜市に比べてあまり報道されてないのが気になる。先日の麻生首相との電話会談の時も、 「小浜市を知ってる。行ってみたい。」 とオバマ氏がコメントしたそうだが、小浜温泉についてはノーコメント。ひょっとして知らないのでは?あるいは小浜市と小浜温泉が別ものであることがうまく伝わってないとか? ということで今回は、オバマ次期大統領に小浜温泉についてよくわかっていただきたく、小浜温泉を紹介したいと思う。 (T・斎藤)
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