◇就労支援で脱却、わずか6% 生活保護の受給者数が過去最多になった。背景には働く能力のある中年層の急増があるが、失業してひとたび保護を受けると、意欲があっても再就職のハードルは高い。東京23区で最多の約2万5000人が受給する足立区で、現状を追った。【石川隆宣】 10月末。中高年の受給者を対象にした区の就職面接会が開かれた。専門家による面接研修などをセットにした全国初の取り組みで、8月に続き2回目。32歳から63歳までの36人が参加し、14社が面接を行った。警備や清掃、タクシー、建設関係の職が多い。 「自分は中間層だと思っていた。生活保護という制度があるのも知らなかった」。エントリーシートの書き方を真剣に聞いていた男性(49)は受給して2年が過ぎた。大学の工学部を卒業し、外資系企業でシステムエンジニアとして働いた。一時は年収が800万円あったが、会社は国内から撤退。派遣で働き始め、08年秋