【バンコク=若山樹一郎】ベトナム国営通信は5日、中国とベトナムが領有権をめぐって争っているパラセル(西沙)諸島海域で9月11日、ベトナム漁船1隻が中国側に拿捕(だほ)され、越側の抗議にもかかわらず、乗組員9人が依然拘束されたままになっていると伝えた。 同通信によると、越政府は駐ハノイの中国大使館に対し、拿捕は主権の侵害だと抗議。ハノイで5日、両国代表による協議が行われたが、中国側が解放の条件として漁船の所有者に罰金を要求、越政府は無条件の解放を求めたという。 パラセル諸島は中国が実効支配しており、昨年3月ごろから海洋権益を守るためとして、漁業監視船による監視を強化。越漁船の拿捕が相次いでいる。