観光地に押し寄せるインバウンド(訪日外国人客)が混雑に拍車をかけ、マナー面などの問題をもたらし始めた。訪日客は2018年、初めて年3千万人を突破し、今後も増える見込みだ。問題を放置すれば、住民の暮らしに影を落とし、観光地としての魅力も下がる。迎え入れる地域といかに調和していくかが課題だ。 注意書きのステッカー、目に入らず 400年の歴史を持ち、「京の台所」と呼ばれる錦市場(にしきいちば)(京都市中京区)。全長約400メートル、道幅約3・5メートルの通りに、京野菜など120店余りが軒を連ねる。 歩きながらの飲食はご遠慮ください――。日本語のほか英語、中国語、韓国語によるイラスト付きのステッカーが10月、登場した。 肩がぶつかり合うほどの通りでは、数年前から串にさした魚介や総菜の食べ歩きが流行。持ち帰り用の食品から出たごみの「ポイ捨て」も目立ち、京都錦市場商店街振興組合が「食べ歩きの自粛」の要