野田政権が成立するまで、私は優先すべきは中長期的な成長軌道の確立であり、財源は国債でよいと考えていた。だが、ここに至っては、「予言の自己成就」可能性を考慮すると、増税するリスクより「しないリスク」の方が高いかも知れないと考えている。 せいやま かずお/1948年、鳥取県生まれ。東京大学文学部社会学科卒業、東京大学大学院社会学研究科単位取得退学、博士(社会学)、現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は社会学。主な著作に、『制度論の構図』(創文社)、『社会階層』(共著、東京大学出版会)、『社会調査法入門』(有斐閣)、『リベラリズムとは何か』(勁草書房)、『年金問題の正しい考え方』(中公新書)、『社会学とは何か』(ミネルヴァ書房)、『経済成長は不可能なのか』(中公新書)など。 平成24年度予算案が衆議院を通過し、いよいよ国会の焦点は消費増税を巡る是非に移る。いま消費増税、是か非かと問われ