「タクシーの数が日本一多い場所は仙台だ」 そんな格言が、かつてタクシー界には浸透していた。この現象をひもといていくと、タクシー業界にとっていまだかつてない“悪法”と評された規制緩和の影響が大きい。 小泉純一郎政権時代の2002年に実施された規制緩和で、タクシー業界は混乱に巻き込まれた。事業者や台数は急激に増加し、それに伴いドライバー1人ひとりの売り上げは急降下した。「タクシー破壊法」とも言われた同法だが、中でもとくに強い“被害”を受けたとされる地域が仙台だ。 人口当たりの台数は東京都内を超えるともいわれる水準となり、現場は疲弊していく。 筆者が仙台駅を訪れた10月末は、鉄道開業150周年企画の新幹線、特急列車3日間乗り放題期間の影響もあってか、観光客でごった返していた。タクシー乗り場には30台以上のタクシーが並ぶが、大型のスーツケースを引く人々の多くは、タクシーを横目に通り過ぎていく。西口
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