慰安婦を「性奴隷」と決めつけた国連人権委(人権理事会の前身)のクマラスワミ特別報告者の報告は、事実の裏付けのない証言などが引用され「性奴隷」との誤解が世界に広まったが、またもや国連の名を冠した嘘が広がりかねない事態となっている。プライバシーに関する国連特別報告者のジョセフ・ケナタッチ氏が、日本政府に送った公開書簡である。テロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法に対し法案段階で懸念を示したのだ。専門家によれば、日本の法制度などを十分に理解せず、誤解に基づく指摘だった可能性が高い。(大竹直樹 滝口亜希) 「落馬の危険がある」 「今回の法案を読んだとき、このように思った。たとえて言うなら、私の友人が、手綱もくらもあぶみも使わずに馬に乗ろうとしているようなものだと」 ケナタッチ氏は6月9日、東京都内で開かれた日本弁護士連合会(日弁連)のシンポジウムにインターネット中継で参加し、書簡を送った意図を明らか