慰安婦論争を多角的に検証した、というふれこみの映画「主戦場」。櫻井よしこさんをはじめ保守派の論客が大挙出演してびっくり、と思えば、みな日系アメリカ人監督に「騙し討ちに遭った」と怒り心頭で。 映画の公式サイトには、 〈ひっくり返るのは歴史かそれともあなたの常識か〉 という見出しの脇に、 〈イデオロギー的にも対立する主張の数々を小気味よく反証させ合いながら、精緻かつスタイリッシュに一本のドキュメンタリーに凝縮していく。そうして完成したのが、映画監督ミキ・デザキのこの驚くべきデビュー作、「主戦場」だ〉 等々書かれている。性奴隷としての慰安婦が存在したのかどうか、肯定派と否定派双方の主張を並べ、観る人に考えさせるなら問題はあるまい。ところが、 「“ひどい”の一言で、取材の客観性も中立性も保てていません」 と出演者の一人、ケント・ギルバート氏は憤る。 「デザキからアプローチがあったのは2年ほど前、上