ここ数年の自転車ブームが、最近になってさらに加熱している。自転車産業振興協会の統計によると、自転車の2011年4~6月の国内向出荷台数(生産数量+輸入数量)は前年同期比で118%と、大きく増加。「地震当日は帰宅手段として自転車を購入する人が大勢いたが、その後も節電の影響で電車の運休が続き、通勤に自転車を利用する人が増えた。自転車通勤をしたことでその利便性に気づき、そのまま自転車に乗り続けている人が多いのではないか」(自転車産業振興協会)。 一方、交通事故の件数はこの10年間で年間22万件も減少しているが、自転車事故はそれほど減っていない(表1)。そのため、自転車事故が交通事故全体に占める割合は増加傾向にある。さらに「自転車が第一当事者(事故における過失の重い者、過失が同程度の場合には負傷程度が軽い者)となった割合」に限定すると、この10年間で2.5%から15.6%と、実に6倍以上も増えてい