〈セカイ系としての『天気の子』〉 自分としては本作がセカイ系であるかどうかとか,セカイ系の定義にはあまり興味がない。むしろ本作の場合,人類が滅びるような障害を乗り越えられる程度の障害に縮小したところを評価したい。人類を滅ぼさんでもセカイ系はできるし,やってよいのだという意味合いでなら本作をセカイ系の文脈で語るのは面白いと思う。もう,ヒロインとセカイのどちらかしか選べないという結末しかないのに我慢する必要はないのである。東京は部分的に水没したし,陽菜は晴れ女の能力を失った。それでも都民はたくましく生きている。 そもそも須賀の言う通り,陽菜が帰ってきたから雨が降り続いているなんて因果関係がはっきり証明されているわけではない。2人は降り続く雨を気に病まなくていい。まさに「大丈夫」なのだ。実は選択でさえないかもしれないという読み方を残している。読み方の選択の余地があり,選択を迫られているのはむしろ
ぜんさく cr.hatenablog.com 「劇場版 天気の子」最高でしたね! 原作版天気の子懐かしいな pic.twitter.com/RYB3PgdMOb — ねおらー31♎ (@neora31) 2019年7月22日 今回は天気の子についてゲームと劇場版の話をしようと思います。 ※重大なネタバレを含みますのでまだの人はさっさと劇場に行きなさい。 まず原作である「天気の子」は2002年にWindows向けにリリースされた、いわゆる「エロゲー」でした。それが2003年に立ち絵を一新・フルボイス化した上でドリームキャストにて家庭用ゲーム機に移植され、同じ年にPS2版がリリースされています。先程のスクリーンショットはPC版のものですね。 家庭版はDCで立ち絵全部書き直した上でアルケミストが一回出して、その後PS2で出し直したっきりだから天気の子の全年齢版がやりたい場合プレミアついてるやつ買
新海誠はアニメ界の「鬼っ子」的存在 新海誠監督の新作アニメーション映画『君の名は。』が、記録的な大ヒットを続けています。公開10日間ですでに興行収入が38億円を突破したといいますから、これはもはや2010年代のアニメ界におけるひとつの「事件」といってよいでしょう。今年の夏はさまざまな意味で「平成の終わり」を実感させられるニュースが相次ぎましたが、まさにアニメ界においても、名実ともにいよいよ「ポストジブリ」の新時代が到来したことを感じさせるできごとです。 しかも注目すべきは、今回のヒットが、内容的にもスタジオジブリやスタジオ地図(細田守)のように、老若男女、幅広い層から支持されているというよりは、10~20代の若者世代、とりわけ女性層に特化して受けているらしいという点です。この『君の名は。』をめぐる現在の盛りあがりには、ゼロ年代から新海作品を観続けてきたアラサーのいち観客として、いろいろと感
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