不動産業界関係者なら誰でも知っている都内屈指の有名物件が、最後の法廷闘争を終え、いよいよ再開発へ向けて本格始動することになった。 六本木の有名物件めぐる訴訟が意外に早く和解決着 広域暴力団「東声会」を率いた町井久之氏が、実業家への夢を託して築き上げた六本木TSKビル――。 2002年に町井氏は死去。以降、地下鉄六本木駅から徒歩数分の場所にあるこのビルは、町井氏が残した複雑な権利関係を解きほぐし、一団の土地に仕上げて“果実”を得ようと、不動産ブローカー、地上げ屋、事件屋、仕事師といった名うてのプロが集まり、腕を競った。 その結果、都内の不動産会社「双海通商」が、系列の都市アーバン開発を使って土地をまとめ、解体して更地にし、2011年10月、大手の住友不動産に売却した。 しかし、すぐに異議が唱えられた。 米国を中心に、日本、香港、インド、フランスなどに投資する1兆円ファンド「マラソン・アセット