今回は、1995年7月11日、NHK教育で放送された『ETV特集 手塚治虫の遺産 アトムとAKIRA』という番組について書きたい。 この番組は、大まかにいえば、マンガ家の大友克洋さんが手塚治虫について思うところを語っていく、というものだ。私は、藤子不二雄A先生の『まんが道』によって手塚治虫の偉大さを知り、それ以後主要な手塚マンガを読みあさって結果的に手塚マンガ単行本を3〜400冊持つようになった程度には手塚治虫ファンであり、そしてまた大友さんの『AKIRA』や『童夢』なども好きなので、大友さんが手塚先生について語るこの番組に魅力を感じないわけがないのだが、それに加え、われらが藤子・F・不二雄先生までが同番組に出演しているのだから、私のツボは押されっぱなしなのだ。 番組の構成としては、大友さんが1人で手塚先生について語るパートの合間に、「大友克洋×藤子・F・不二雄」「大友克洋×りんたろう」「