タグ

批評と小説に関するtxmx5のブックマーク (5)

  • スコット・サムナー 「『1Q84』と『サタンタンゴ』と ~超大作を讃えて~」(2012年2月12日)

    ●Scott Sumner, “Satantango”(TheMoneyIllusion, February 12, 2012) 今回は、いつもとは一風変わった話題を取り上げるとしよう。ここ最近ずっと大いに頭を悩ませている疑問がある。「小説映画の長さというのは、一体どうやって決まってくるのだろうか?」という疑問がそれだ。大抵の小説は、分量にして200~500ページくらい。大抵の映画は、尺にして2時間くらい。それが相場だ。映画の尺に関しては、映画館側の事情――夕後2回は上演できるくらいの尺が好ましい――がいくらか関係しているのだろうと推測できるが、しかしそれですべて説明がつくわけではないようにも思う。というのも、「アートフィルム」(前衛映画)にしたって、大体2時間くらいの尺に収まっているからだ。小説が原作となっているアートフィルムでさえも、そうなっているのだ。普通の分量の小説を圧縮せずに

    スコット・サムナー 「『1Q84』と『サタンタンゴ』と ~超大作を讃えて~」(2012年2月12日)
  • 随想 『伯爵夫人』の時代と私のかかわり | レビュー | Book Bang -ブックバン-

    かねがね敬愛する蓮實重彦さんが「新潮」四月号に「伯爵夫人」という小説を書いて評判になっている、と聞いて早速屋に走ったが、既にどこも品切れだった。間もなく第29回三島由紀夫賞を受賞された時の記者会見で、小説を書くきっかけの一つに、「ある先輩が日米開戦の夜にジャズをきいていたこと」を上げられた、という情報を友人たちが連絡してきて、「あれは貴方のことだよ」と告げてくれた。どういう意味でか判らぬながらも、受賞そのものは非常に嬉しく思っていたところ、やっとを入手して急いで目を通してみると、主人公の二朗が長い遍歴の末帰宅して眠り込みやっと目をさますと、夕刊に米英との開戦が報じられている、と末尾に書いてある。 「新潮」七月号の受賞インタビューの中で、蓮實さんは、私の名前を出して「トミー・ドーシー楽団による『Cocktails for Two(愛のカクテル)』のレコードを派手にかけられたら、ご両親から

    随想 『伯爵夫人』の時代と私のかかわり | レビュー | Book Bang -ブックバン-
    txmx5
    txmx5 2018/09/03
    "[レビュアー] 瀬川昌久(評論家)"
  • 岡和田晃氏への応答――SFセミナー2014を経て - 事実だけとは限りません

    まず、経緯を述べる。評論家の岡和田晃氏は、これまで私の作品を幾度か批評の対象として取り上げてくださている。それらは彼の近著『「世界内戦」とわずかな希望――伊藤計劃・SF・現代文学』に収録されており、また私の新刊『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』巻末解説も担当してださっている。 まともな読みの対象とされることの少ない私の作品に正面から向き合ってくれるこれらの批評は、非常に得難く貴重なものである。にもかかわらず、いつからか言葉にし難い微妙な違和感を感じることがあった。 無論、作品をどのように読むかは読者の自由である。ひどい誤読であっても、それは人の読解力(の欠如)の問題であって、私の問題ではない。あまりにもひどい誤読を広く公表されるようなことがあれば、私もこのブログで一言物申すくらいのことはするかもしれないが、言うまでもなく岡和田氏の批評に対する違和感はそのような類のものではなく、かつ極め

    岡和田晃氏への応答――SFセミナー2014を経て - 事実だけとは限りません
  • 東京新聞:村田沙耶香「消滅世界」 綿矢りさ「ウォーク~」 佐々木敦:文芸時評(TOKYO Web)

    第百五十三回芥川龍之介賞は、羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」(『文学界』3月号)と又吉直樹「火花」(同2月号)に決まった。羽田は四度めの候補、又吉は文芸誌デビュー作での受賞である。精神的活劇介護小説とでもいうべき羽田作品、二人のお笑い芸人の長年の交情を悲哀と狂気と滑稽の入り交じった筆致で描いた又吉。羽田は今後も安定した仕事ぶりを見せてゆくだろう。又吉は二作目がいつ読めるか。人気芸人の受賞が「文学」に齎(もたら)すものよりも、いきなりの芥川賞が、この出てきたばかりの新人作家に、何を与え、何を強いてゆくのかが気になる。短いものでもいいので、とにかくコンスタントに書いてゆくことを望みたい。 村田沙耶香の長編一挙掲載「消滅世界」(『文藝』秋号)は、昨年評判を取った「殺人出産」に続く、異様な設定のディストピア小説である。今度もテーマは「出産」だ。近未来の日戦争(どうやら第三次世界大戦らしい

    東京新聞:村田沙耶香「消滅世界」 綿矢りさ「ウォーク~」 佐々木敦:文芸時評(TOKYO Web)
  • (文芸時評)高学歴者の鬱屈:朝日新聞デジタル

    ■片山杜秀(評論家) セックスと説教。文藝賞を受けた李龍徳(イヨンドク)の「死にたくなったら電話して」の中身はこの二語に尽きる。同志社大学を目指して三浪中の青年。彼が大阪の十三(じゅうそう)で京都大学中退のキャバ嬢に出会う。 彼女は彼の「宿命の女」。破滅に誘う女。虚無性と否定性の塊。この世を見限っている。よほどの挫折を経験しているらしい。あの世への道行きの連れ合いを探している風情。そこに浪人生がはまる。

    (文芸時評)高学歴者の鬱屈:朝日新聞デジタル
  • 1