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批評と*temp_005に関するtxmx5のブックマーク (1)

  • 批評の初心(初出「新潮」)

    私たちにとって幸福なことなのか不幸なことなのかはわからないが、この世界にはひとつだって簡単に片付けられる問題などない。それはそうだ。今もってそうである。はるか遠い昔に、意識と呼ばれたりする何かと一緒に人間に与えられた、言葉という、私たちがものを考えるためのただ一つきりの武器は、今もって昔ながらのマジックをやめようとはしていない。それはそうだ。そうだろう。やたらと崇高であろうとしたり、そう思われようとしたがっているような言葉は、結局はなにか劣悪なるものへと仕向けられてゆくことになるのだし、ということはつまり、劣悪なる言葉とは、とかく崇高ぶりたがるものだ、ということでもある。でもしかし、もしも言葉が、ひとを幻惑するマジックを捨ててしまえたとしたら、それはきっと影のようなものになってしまうことだろう。 文学の世界に詩人が棲み、小説家が棲んでいるように、文芸批評家というものが棲んでいる。詩人にとっ

    批評の初心(初出「新潮」)
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