米ホワイトハウスは21日、今月18日にイラク北部モスル近郊で実施した空爆で、過激派組織「イスラム国」(IS)のファディル・ハヤリ幹部を殺害したと発表した。ISの最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者に次ぐ「副司令官」の立場にあったという。 ホワイトハウスの声明によると、ハヤリ幹部はISの「議会」を構成するメンバーの一人で、イラクとシリア両国の部隊を動かす軍事部門の責任者だった。過去2年間にわたって主にイラクでの作戦を担当し、昨年6月にモスルを制圧した作戦も担ったという。 ロイター通信は調査機関の情報として、ハヤリ幹部はフセイン政権時代の軍幹部で、イラク戦争中に米軍施設に拘束され出所した後、ISの前身にあたる「イラク・アルカイダ機構」に加入したと伝えた。 米軍は今年5月、特殊部隊をシリアに送り、ISで資金調達などを担当していたアブ・サヤフ幹部を殺害。組織の弱体化を図っている。(カイロ=渡辺淳