ブラジル最注目のシンガーソングライター/マルチ奏者、アントニオ・ロウレイロが、2018年10月に6年ぶりとなるスタジオ録音作『リーヴリ』をNRTより発表しました。 本稿では、CD・LPの購入特典であることが常の解説文を「公開ライナーノーツ」と題して試験的にリリースしていく試みです。第二弾の原稿を音楽ジャーナリストの原雅明氏にお願いしました。 ※『リーヴリ』公開ライナーノーツ① 文:高橋健太郎 ※『リーヴリ』公開ライナーノーツ② 文:原雅明 これからの音楽についての、さまざまなヒントが詰まっている作品。 躍動感を増したアルバム『Livre』 文:原雅明 アントニオ・ロウレイロはこんなにも躍動感のある音楽を作る人だったのか、というのが『Livre』を聴いた、まず最初の感想だった。これまでのアルバムはどちらかと言えば、静的なイメージがあったからだ。静的とはいっても、終始そのままというわけではなく