『日本語文法』は日本語文法学会の査読誌です。正式な題目は「独話に現れる愚痴命令文と反事実性」,掲載されたのは19巻2号です。目次はくろしお出版のページをご覧下さい。 www.9640.jp Amazonでも買えます。 日本語文法 19巻2号 くろしお出版Amazon 待ち合わせに遅れてきた友だちを遠くに発見した時に「もっと早く来いよ…」とつぶやく,ようなタイプの命令文の記述と分析案の提示を行っています。命令文というのは基本的に聞き手の未来(の予定)に干渉するというのが特徴なので,すでに確定していることがらについて,しかも独り言で使える命令文があるというのは不思議なのですね(上の例で言うと,この友だちは発話時点ですでに「もっと早く来る」ことを実現することはできなくなっている)。 「愚痴命令文」は私の命名で,正直査読で考え直せと言われるかと思っていたのですがそのまま通ってほっとしました。意味論