レヴィナスによるとヨーロッパの哲学は本質的に無神論であり、自我が世界を全て認識し、取り込んで支配しようとする哲学だという。それは独我論であり、レヴィナスによれば独我論は有神論と相いれないものだ。 独我論は世界を自我に取り込もうとする。しかし、他者とは認識できない、あるいは認識できると思ってはならないものである。他者を認識できたと思うことは、他者を自我に取り込んでしまうということだ。レヴィナスによると他者と関わるということは、自分の中に他者を同化しようとするのではなく、到達できないにも関わらず自分が他者の方に無限に近づこうとすることだという。それが他者への「憧れ」と表現される。レヴィナスが他者というとき念頭にあるのは旧約の神だろう。 「知識を得れば得るほど人は相対主義的になるのではないか」と評論家の岡田斗司夫が指摘していた。 確かにその傾向はあると思う。 ロドニー・スタークのキリスト教史を読