さてローレンス・レッシグは『CODE VERSION 2.0』でのプライバシーに関する議論の中で、「人が公共の道にいたり飛行機に乗ったりしているときに、データを取られることに対してどんな保護があるだろうか?」と問い、伝統的な答えは保護は「まったくない」というものだ、とした上で、次のように言います。 だがこれまで何度も見てきたように、プライバシーの法がそれを保護しないからといって、保護がまったくないことにはならない。公共の場にいるときの各種事実は、法的には保護されていなくても、そうした事実を集めたり利用したりするコストの高さによって実質的に守られている。(p.281) さらに、 小さな村でなら一挙一動がご近所に監視されるかもしれない。その監視は記録を作る ― ご近所の記憶の中に。だが記録技術の性質から、政府がその記録を検索するのはかなり高くつく。警官がご近所で聞き込みをしなくてはならない。必