【ハノイ=塚本和人、峯村健司】中国とベトナムなどが領有権を争う南シナ海の西沙(パラセル)諸島の周辺海域で中国当局に拿捕(だほ)され、拘束されていたベトナム漁船の船員9人が10日に開放されたことがわかった。ベトナムのタイン国防相が11日、東南アジア諸国連合(ASEAN)国防相会議が行われたハノイで記者団に明らかにした。 ハノイでは12日にASEAN10カ国と日中米ロなど8カ国の国防相が初めて集まる拡大国防相会議が開かれる予定。中国としては会議を前に、経済面での結びつきを強める議長国ベトナムやASEAN諸国との摩擦要因を取り除いた形だ。タイン氏は「中国側は人道的な姿勢を示している」と歓迎した。 また、ベトナムメディアによると、タイン氏は10日、ハノイを訪問中の中国の梁光烈国防相と会談。海上合同パトロールなどについて協議した。 この事件をめぐっては、9月11日の発生直後から両国政府が外交ル