ADHDの元教員で自閉っ子の母親が気付いたこと インクルーシブ社会への道のりの第一歩は互いを知ることから 雨野千晴 ライター、講師、漫画家 「多様性を認め合う共生社会」「インクルーシブ教育推進」といったフレーズを耳にする機会が多くなった。一方で、インターネット上では「障害者ヘイト」のような主張も目にする。そのような現状の中、共生社会を目指す上で子どもたちに必要な教育とはどのようなものなのか。障害者の当事者であり、障害のある息子を持つ母の立場でもあり、元小学校教員をしていて経験した出来事を踏まえて、私なりに考えたことを伝えたい。 うっかりADHD教員の苦悩 私は2年前、10年間勤務した小学校教員の職を辞し、現在はフリーランスで働いている。私にはADHD(注意欠如多動症)という障害がある。さらに詳しくいうと、その中の不注意優勢型というタイプである。つまり、非常にうっかり者なのだ。 子どものころ