2020年11月14日19:14 カテゴリ本 ニュートンはなぜ万有引力を発見したのか ニュートンがリンゴの実が木から落ちるのを見て万有引力を発見したという話は、世界一有名な科学的発見についてのエピソードだろう。彼の著作にはそういう記述はないが、彼がそう語ったと同時代の少なくとも4人が証言している。そのポイントは、リンゴが落ちたことではない。 ペストが流行した1666年、ケンブリッジ大学は休みになり、ニュートンは故郷に帰って月の軌道について考えていた。小さなリンゴが地上に落ちるのに、それよりはるかに重い月が地球に落ちてこないのはなぜだろうか、と彼は考えた。それは地球から遠い月に働く力が、リンゴよりはるかに小さいからではないか。 この話をニュートン自身が語ったとすれば、彼の世界観の特徴を示している。それはリンゴと月に同じ力が働くという発想である。凡人はリンゴと月に共通点があるとは思わないが、ニ