前回明治9年現在の府県別諸侯一覧を掲載した。ただ、小大名は紙幅の都合から割愛したため大まかな傾向を示すにとどまらざるを得なかった。今回はこれをすべて府県別に分類し、さらには大名数の多い順に府県をソーティングしてみた。 docs.google.com すると、いわゆる「幕末維新期」に「大活躍する」雄藩の大名数はわずか3パーセントに過ぎず、大中合わせても18パーセントにも満たないことがわかった。 つまり戊辰戦争で「活躍する諸大名」はわずかばかりの数に過ぎず、圧倒的少数者である大名のうちのさらなる少数者、文字通りオリガルヒ(Олигархи)の物語に過ぎないことがこの点でも明らかである。その他大勢は「あってもなくてもどうでもいい目蒲線」*1であるかのような扱いである。 むろん圧倒的少数者が富や武力などを独占することはいつの時代にも見られる普遍的な姿である。その独占する手段の違いにこそ歴史性を求め