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ブックマーク / integers.hatenablog.com (8)

  • 70年以上未解決であった「ミルズの定数の無理数性」が解決か!? - INTEGERS

    旧知の仲である数学者 齋藤 耕太 氏(筑波大学、学振PD)が、昨日数学の未解決問題を解決したとするプレプリントをプリプリントサーバーarXivに投稿されました: arxiv.org 論文自体は「現状分かるところまで研究しつくす」という素晴らしい態度で執筆されているので主定理の記述は十行ありますが、その特別な場合をとり出した ミルズの定数は無理数である という定理(これは論文のタイトルにもなっています)が、ある程度長い期間未解決であったと思われる数学上の問題の解決を意味しています。 無理数性の証明はかっこいい 実数という数学的対象は有理数と無理数に分けられます。有理数は などのように という表示を持つ実数であり(ここでは自然数は正の整数を意味するものとします)、有理数ではない実数のことを無理数といいます。 高校数学でも証明込みで学ぶことと思いますが、無理数の典型例としては があげられます。こ

    70年以上未解決であった「ミルズの定数の無理数性」が解決か!? - INTEGERS
    xiangze
    xiangze 2024/05/06
  • (Z/nZ)*の群構造 - INTEGERS

    この記事ではの群構造についてまとめています。 1.1 と素因数分解されているとき、中国剰余定理によって が成り立つので、 を得る。すなわち、問題はのときに帰着される(は自然数)。 1.2 のとき、が成り立つ。 証明. 奇数が存在して、と書けることを示せばよい。に関する帰納法で証明する。なので、。が存在したと仮定すると、 より、とすればよい(このときは奇数)。 Q.E.D. 1.3 命題 次の群の同型が成立する: 証明. のときは明らか。、とする。また、(resp. )が生成するの部分群を (resp. )と表す。で割ったあまりを考えることによって、がわかるので、自然な埋め込みがある。1.2より なので、 が示された。 Q.E.D. はEulerのトーシェント関数。である。 1.4 を素数とする。このとき、は位数の巡回群である。 これは原始根の存在からわかる:平方剰余の相互法則 - INTE

    (Z/nZ)*の群構造 - INTEGERS
  • 素数定理の証明 - INTEGERS

    この記事ではNewman-Zagierによる素数定理の複素解析的証明を解説します。 関連記事 素数定理 - INTEGERS チェビシェフの定理 - INTEGERS 素数定理の初等的証明(予告編) - INTEGERS 素数定理の初等的証明(Selbergの漸近公式編) - INTEGERS 素数定理の初等的証明(R(x)の評価編) - INTEGERS 素数定理の初等的証明(完結編) - INTEGERS リーマンゼータ関数 - INTEGERS リーマンゼータ関数の解析接続と関数等式 - INTEGERS ゼータ関数の零点とリーマン予想 - INTEGERS これらの記事のうち、「素数定理の初等的証明」四部作以外の記事の内容を既知と仮定して以下の記述を行います。特に、素数定理は次のような様々な同値な形があることを思い出しておきます: 漸近挙動は全てで考えており、はテータ関数ではなくC

    素数定理の証明 - INTEGERS
  • 少なくとも一つは必ず無理数なんだ。 - INTEGERS

    Apéryは伝説を残した。 integers.hatenablog.com その後、2000年を過ぎたあたりにRivoalという天才が彗星の如く現れ、 の中には無理数が無数に存在する ということを証明した(Ballと共著でInvent. Mathに掲載されている)。Rivoalは の中に少なくとも一つ無理数が存在する ということも証明し、それを受けてZudilinは の中に少なくとも一つ無理数が存在する ということを証明した。 初めてこれらの結果を見た者は「そんなこと一体どうやって示すんだ!?」と思うことだろう。ただ、それらの証明は非専門化には少々アクセスしにくいレベルの高さにある。 そんな状況の中、Zudilinが1月30日に次のようなプレプリントを発表した。 W. Zudilin, "One of the odd zeta values from to is irrational. B

    少なくとも一つは必ず無理数なんだ。 - INTEGERS
  • 等間隔に並ぶ素数を追い求めて〜グリーン・タオの定理〜 - INTEGERS

    素数のもつ秩序。それは人類に幾度となく驚きと喜びを与えてくれました。そして、これからも与え続けてくれることでしょう。 素数の秩序に関する人類の最初の大きな勝利は素数定理 を発見し、証明したことだと思います。 素数の分布は高度に非自明で、一見すると何の法則性も見出せないように思えます。にも関わらず、このようにシンプルな漸近挙動を示すのは驚きです。 素数定理についての文献は日語を含めて相当数存在しますし、このブログでもまとめています*1。 素数定理が証明されてから100年のときを経て、人類は次の大勝利を収めました。 Green-Taoの定理です*2。 素数は疎らに分布しているように見えますが、 は等間隔に並んでいます。等間隔に並んでいる素数は他にもあるでしょうか? 等間隔に並ぶ素数に興味があるので、等差数列の初項および公差は指定しない代わりにその項数(長さと呼ぶ)に着目します。上記例は長さで

    等間隔に並ぶ素数を追い求めて〜グリーン・タオの定理〜 - INTEGERS
  • 代数学の基本定理の位相空間論的証明 - INTEGERS

    数学の基定理 (Gauss) 定数でない複素係数多項式は少なくとも一つの複素数根をもつ。 この記事ではSenによる証明を紹介します。 補題 が位相空間の間のproperな連続写像であり、がHausdorff局所コンパクト空間であるならば、は閉写像である。ここで、がproperとは、の任意のコンパクト部分集合に対してがのコンパクト部分集合となることをいう。 証明. を閉集合とする。のときは自明に は閉集合なので、とする。を任意にとる。は局所コンパクトなので、コンパクト近傍がとれる。がproperなので、はコンパクト。よって、もコンパクトである。は連続なので はコンパクトで、がHausdorffなので は閉集合。故に、は開集合であり、の部分集合かつとなっている。従って、は閉集合である。 Q.E.D. を定数でない複素係数多項式とする()。これは、写像と思える。 と定めると、は有限集合である

    代数学の基本定理の位相空間論的証明 - INTEGERS
  • 素数とはA~Zで見つけられる数である(証明編) - INTEGERS

    この記事は非公開化されました。 integers.hatenablog.com 非公開前の内容要約: Jones-Sato-Wada-Wiensの定理の証明およびJones-Sato-Wada-Wiens多項式の値が2となるような具体的なからの値の導出。 この記事の内容は部分的に書籍『せいすうたん1』の第11話に収録されています。 integers.hatenablog.com

    素数とはA~Zで見つけられる数である(証明編) - INTEGERS
  • πが超越数であることの証明 - INTEGERS

    前回の記事ではの超越性を証明しましたが、今回はが超越数であることの証明を紹介します。これまた、溢れんばかりに文献はあるのですが。。。 Lindemannの定理 (1882) 円周率 は超越数である。従って、円積問題は否定的に解決する。 F. Lindemann, Über die Ludolph'sche Zahl, Sitzungsberichte der Königlich Preussischen Akademie der Wissenschaften zu Berlin, 2, (1882), 679–682. F. Lindemann, Über die Zahl , Mathematische Annalen, 20, (1882), 213–225. 補題 , とする。また、とを定める。このとき、任意のに対して、はなる評価を満たす。ここで、は の係数を全てその絶対値で置き換え

    πが超越数であることの証明 - INTEGERS
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