初めて錦織圭と対戦した時、彼は、世界の9位だった――。 その2年前の全豪オープン準決勝で、当時世界1位だったラファエル・ナダルとフルセットの歴史的な死闘を演じ、キャリア最高の7位にも到達。翌年の2010年にもツアー2大会で優勝し、まずはトップ5、そしてそれ以上を目指して迎えた、2011年シーズン。その最初のグランドスラムである全豪オープン3回戦で対戦したのが、錦織である。相手が秘める豊かな才能は感じながらも、頂点を目指すフェルナンド・ベルダスコにとっては、決して難しい戦いではなかった。62 64 63のスコアでの完勝。敗れた錦織は、「何も出来なかった感がある」と試合後に口にしている。 錦織の棄権で終った2度目を挟み、3度目の対戦は初顔合わせから4年後の、インディアンウェルズ・マスターズ3回戦で訪れた。 かつて世界の82位だった小柄で細身の日本人は、全米オープン準優勝を経験した、世界の4位に