1.概要 国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦)高知コア研究所断層物性研究グループの廣瀬 丈洋グループリーダー代理は、韓国のソウル大学校、慶尚大学校及び安東大学校と共同で、地殻の主要構成鉱物である石英を主成分とする珪岩を用いて地震性高速すべり実験を行った結果、断層すべり面で発生する摩擦発熱によって、石英が従来考えられていたより約220~370°C低い温度で熔融することを明らかにしました。 地震時には断層が秒速数メートルの高速ですべりますが、そのすべり面で発生する摩擦発熱によって岩石が熔融する断層摩擦熔融現象は、巨大地震発生メカニズムの1つとして注目されてきました。そのため、地殻の主要構成鉱物の1つである石英が従来考えられていた温度より低温で摩擦熔融することが実験によって確認されたことは、巨大地震の引き金となりうる摩擦熔融時にはより断層がすべりやすくなることを示唆しており、地震