政府の国家戦略特区を巡る毎日新聞の記事で名誉を傷つけられたとして、特区ワーキンググループの原英史前座長代理が毎日新聞社に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は双方の上告を受理しない決定をした。10日付。請求を棄却した1審判決を変更し、名誉毀損の成立を一部認めて同社の逆転敗訴とした2審判決が確定した。 2審東京高裁判決によると、毎日新聞は令和元年6月11日朝刊で、特区提案を検討していた福岡市の学校法人側と原氏がたびたび面会し、会食費を「法人が負担した」などと報じた。 1審東京地裁判決は、記事には真実性があり名誉毀損は成立しないと判断。一方、2審判決は記事が問題視した会食について「学校法人側が費用を負担したかどうかを裏付け取材したと認めるに足る証拠はない」などとして真実性を否定し、名誉毀損に当たると判断して毎日新聞社に220万円の支払いを命じた。