「今のままだと一発屋で終わってしまう」。ベネッセコーポレーション デジタル開発部の保本尚宏部長は手掛けたデジタル案件がひと段落した後の感想をこう述べた。その案件はこれまで同社が馴染んでいたウォーターフォール型の開発ではなくアジャイル型で臨んだ。案件は順調に進んだものの、はたして次をどうするか。そんな心境を述べた言葉が「一発屋」である。 今、多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を旗印に自らの事業を変革しようと悩みもがいている。ベネッセも例外ではなかった。同社は言わずと知れた教育サービス事業の大手。2014年には「こどもちゃれんじ」「進研ゼミ」などの顧客情報約760万件が外部に漏洩した事件で一時的に信頼を失墜、会員数は大きく落ち込んだものの、その後信頼回復に努め2017年4月には再び会員数が増加基調に転じた。 だが復活もつかの間、事業を取り巻く環境は決して穏やかではない。デジタ
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