大阪府と市の統合本部は「大阪都構想」の実現に向けて、府・市の主要事業の民営化、統合プランを作成中である。この連載では、これまでにモノレール事業、公立病院事業について考察した。 前回に引き続き、すでに報道などで注目されている人形浄瑠璃文楽への補助金問題について掘り下げて考えたい。1963年に設立された公益財団法人の文楽協会(大阪市中央区)に対しては、長年、国、府、市が補助金を提供してきた。文楽に対しては劇場をつくるなど主に国が支援しているが、大阪市も1996年から2011年まで文楽協会に対して5200万円の補助金を助成してきた。 橋下徹大阪市長は芸術文化に関する公的助成のあり方について、行政の価値判断で特定団体に対して継続的な運営補助金を出すことは見直すという方針を示す。文楽協会への支援についても、補助金を25%カットするとともに、協会内部の「しくみ」の変革をもとめていくことを盛り込んだ。こ