4月25日に人民軍創建85周年を迎える北朝鮮は、この日に合わせて核実験や弾道ミサイルの発射をおこなう可能性がある。何度も何度も繰り返されてきた種類のニュースだ。 しかし、日本の政治家たちは、これに乗じていつの間にか「先制攻撃」の主張を始めている。そのバックにいるのは、もちろん安倍晋三だ。米「ワシントン・ポスト」紙が、中谷元らにインタビューした記事で、安倍の姿勢が世界からどう見られているか、はっきりと学ぶことができる。 「敵基地を攻撃せよ」 北朝鮮のミサイル発射の脅威が増すなかで、日本では、より強大な軍事的対応を主張する声が強まっている。 平和主義を謳う日本において、有力な政治家たちが、米国の防衛力に依存することなく北朝鮮を攻撃する力を得るべきだと、公に主張しはじめているのだ。 与党・自民党の安全保障調査会長の今津寛は、インタビューに対してこう語っている。 「日本は、破壊されるまで手をこまね
念願のラリー・ロバーツを引き入れ、ARPAは本格的にAR PAネットに取り組むことになるのですが、その前に述べておく べきことがあります。 それは、インターネット、すなわち、ARPAネットに関する 次の2つの「俗説」の検証です。 ----------------------------- 1.ARPAネットは、ソ連の核攻撃に対応するための軍事 目的ネットワークである。 2.パケット通信システムは、ARPAネットではじめて開 発された通信技術である。 ----------------------------- これらの2つは、インターネットについてほぼ常識的にいわれ ていることです。とくに1つ目の「インターネットは軍事目的の ネットワーク」として開発されたことについては、私もそうであ ると信じてきたのですが、きちんとインターネットの歴史を調べ てみると、必ずしもそうとはいい切れないのです。
ポリタスから「辺野古移設問題」について寄稿を依頼されたとき、私が最初に思ったのは、その呼称への微妙な違和感だった。間違いだと言いたいのではない。この問題をそのような呼称で受け止めることにすら難しい問題が含まれているだろうと思えたのである。そこであえて「辺野古移設問題」と括弧を付けてみた。重点の置き方としては「普天間飛行場移設問題」としてもよい。なお、私がこの問題に言及するのは、自著『考える生き方』でも述べたように、1994年から2002年まで沖縄県民として、その土着の親族構造の内部で暮らしたことに加え、縁があって一部ではあるが、政界、大学、メディア、自衛隊、米軍などの内情を直接伺う機会があったことによる。 「泥沼化」後にあり得る3つの可能性 まず、ポリタス編集部から問われた「泥沼化している普天間基地の辺野古移設問題についての今後の見通し」について答えたい。3つの可能性があると思われる。 1
1941年、京都市生まれ。64年早稲田大学政経学部卒、朝日新聞社入社。68年から防衛庁担当、米ジョージタウン大戦略国際問題研究所主任研究員、同大学講師、編集委員(防衛担当)、ストックホルム国際平和問題研究所客員研究員、AERA副編集長、編集委員、筑波大学客員教授などを歴任。動画サイト「デモクラTV」レギュラーコメンテーター。『Superpowers at Sea』(オクスフォード大・出版局)、『日本を囲む軍事力の構図』(中経出版)、『北朝鮮・中国はどれだけ恐いか』など著書多数。 田岡俊次の戦略目からウロコ 中国を始めとする新興国の台頭によって、世界の軍事・安全保障の枠組みは不安定な時期に入っている。日本を代表する軍事ジャーナリストの田岡氏が、独自の視点で、世に流布されている軍事・安全保障の常識を覆す。さらに、ビジネスにも役立つ戦略的思考法にも言及する。 バックナンバー一覧 6月8日の朝日新
「集団的自衛権」の見直し、首相の靖国参拝など、周辺諸国から「軍国主義化」の懸念も表明され始めた、このところの日本。では、「あの戦争」を、70年前の日本人はどのように戦ったのだろうか? 『日本人と日本兵』(講談社現代新書)著者の一ノ瀬俊也氏に、敵であるアメリカ軍の目に映った日本兵の赤裸々な姿について話を聞いた。 実は弱かった「日本軍」? ――単刀直入に言って、米軍の日本軍に対する評価はどうだったのでしょう? 高かったのか、低かったのか? 一ノ瀬 同時代の他国陸軍との比較ということであれば、決して高くありません、というより低いです。当時のヨーロッパにおける陸戦はまず航空部隊が敵の正面から後方まで爆撃し、続いて戦車部隊が前面に出て敵陣を突破、これを後続の歩兵部隊が占領するという機甲戦になっていますが、これに関する日本軍の装備・戦術は最後まで日中戦争レベルに過ぎない、という低い評価です。各戦場で相
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