食料品の購入に不便を強いられる買い物難民が2015年で全国825万人に上ることが、農林水産省の推計で分かった。このうち、半数近くが三大都市圏で、10年前に比べて40%以上の爆発的な増加を示している。だが、この推計は店舗までの直線距離500メートルで一律に算定しており、500メートル未満でも途中に急坂があるなどして買い物が困難な人を含んでいない。茨城キリスト教大文学部の岩間信之教授(都市地理学)は「大都市圏の買い物難民は国の推計より多いとみられ、今後も増え続けるだろう。地域の互助サービスが消え、助け合い関係が希薄なだけに、将来が心配だ」と指摘する。 【詳細な図や写真】大阪府泉佐野市の鶴原団地で食料品を販売する大阪いずみ市民生協の移動販売車。団地の高齢者にとって移動販売が命綱になっている(写真:筆者撮影) ●スーパー撤退で高齢者の買い物が不自由に 神戸市東灘区沖に浮かぶ人工島の六甲アイランド。