Felix qui potuit rerum cognoscere causas. The person who has been able to become aware of the cause of things is fortunate.
「坑道のカナリア(canary in a coal mine)」というのは、いまはもう使われることのない安全対策に由来する言葉です。炭坑で働く男たちが、カナリアの入った鳥かごを携えて坑道に入って行く。ご存じのように炭坑労働には多くの危険が伴いますが、そのひとつに一酸化炭素などの有毒ガスが知らない間に充満していて、気が付いた時にはもう遅く、身動きがとれず死に至るということがあります。カナリアは人間よりガスに敏感なので、まだ人間の身体には害のないような僅かな量の有毒ガスにも反応し、騒いだり気絶したりする。それを見て危険を察知し避難することができるというわけです。 現代ではおそらく、カナリアよりももっと敏感な有毒ガス検出器を持って行くので、こんなことは行われません(いや、別に確かめたわけではありませんが、ないと思います)。けれども比喩としては、「坑道のカナリア」はまだ使われているようです。なぜか
「院に進む人が少なくなってね、TA(ティーチング・アシスタント)のバイトやる子もなかなかいないんですよ」 昨日大学の研究室で、来年度から同じ科目をクラス別で担当することになっている教授が言っていた。芸術大学でも院進学者が減っており、学部で出てさっさと就職したいという学生が増えている。もともとデザイン学部はその傾向があったが、それが全体的になっているようだ。 以前長らく予備校講師をしていた関係で知ったのだが、芸術系の大学ではもう20年以上前から、どの学部や科も女子が多くなっている(たぶん文学部などもそうではないかと思う)。東京芸大は昔から男子が多かったが、今は男女比逆転しているかもしれない。仕事で行っている地方の私立芸大など、ほとんど女子大である。 「大学出たら自活していかないと」というプレッシャーが女子より強い男子は、芸術大学などに進むこと自体、自分で自分の首を締めるようなものだと考えるの
現代アートの作品を見たときの、あれやこれの疑問と混乱。どこか納得しないまま展覧会を後にした経験が一度はあるだろう。現代アートとどう接すればよいのか、社会の中における芸術の現在位置はどこか。著作『美学への招待』(中公新書)で平易な文章で美学を紹介する、佐々木健一・日本大学文理学部教授まで話を伺った。(鴨) ささき・けんいち 1971年、東京大学大学院人文科学研究科美学藝術学博士課程を修了。76年から埼玉大学助教授。その後東京大学文学部助教授をへて、89年に同大学教授。2004年に定年退職し、現在は日本大学文理学哲学科教授。東京大学名誉教授。著書に『美学辞典』(95年、東京大学出版会)、『フランスを中心とする18世紀美学史の研究―ウァトーからモーツァルトへ』(99年、岩波書店)、『美学への招待』(04年、中央公論新社)ほか多数。 芸術に対する素朴な疑問 ―現代アートが分かりません。 それは現代
※追記あります。 拙書を読んで下さった人から面白いメールをもらった。「ところでラッセンって何だったの?」という話(本の内容とは直接関係ない)。 ‥‥ラッセンか。そう言えばいたなそんな人が。 ハワイの海やイルカの絵を描いているあのラッセンです。御存知ないですか。別に知らなくてもいいのですが。日本向けのホームページに絵の画像がたくさんある。「あー、あのサーフィンショップとかに飾ってありそうなイラストか」と思い当たる人はいるだろう。もっともイラストじゃなくてアート、絵画として売られている。 こちらを見ると、絵以外のところでかなり評判が悪い。エコロジストのサーファー画家ということで売っているラッセンだが、ほとんど不良外人の扱いだ。 しかし、なぜラッセンの絵がそんなに人気があるのか。 日本人ってそんなに海とイルカが好きだったのですか。 以下、その方の承諾を得てメールから抜粋(ちょっと長いです)。途中
局長 (id:kyokucho1989) さんの以下の記事を読んで、私も大学や大学院で学んだことを、思い出してみたくなりました。 四年制大学ってひどい!わけわからん教養を学ぶために大学でやってきたことをまとめる。 - マトリョーシカ的日常 私が大学生をしていたのは、2005年から2009年の4年間。 大学院生をしていたのは、2009年から2011年の2年間です。 現在は、2013年。 このあたりで思い出しておかないと、記憶が永久に葬られてしまう可能性があるので、記録として残しておきたくなったというわけです。 ちなみにプロフィールにあるとおり、私は「役に立たないことを学ぶ学部代表」として名高い文学部、それも芸術系の出身です。 大学の頃の話を、理系や法学、政治経済系出身の知り合いにしたりすると、いつも苦虫を噛み潰したような顔をされます。そして苦し紛れに彼らがいうことは、「ラクそうでいいね」。
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