「神隠し」とは何か?その事例をあげ、分類し、それらを民間信仰とつなげつつも具体的な意味づけを試みている。薄いながらも大きな視点を持った本である。 まずはいくつかの事例が挙げられ、それらから神隠しを4つのタイプに分類している。 ・失踪者が無事に戻ってきて、体験談を話す(A1) ・失踪者が無事に戻ってくるが、記憶がない(A2) ・失踪者が帰ってこず、事件自体はフェードアウトする(B) ・失踪者が死体となって発見される(C) 以上の4タイプである。 それを踏まえた上で、民間伝承や神話的世界をからめながら分析してゆく。 個人的に興味を惹かれたのは終盤にでてくる「神隠し」の社会的意義だ。もしかしたら本人の気まぐれからなる単なる失踪を、天狗の仕業などということにより、再び帰ってきたとき、すべてを免責して受け入れるという機能が「神隠し」にはあった。 連れ去られるべき異界を失った現代人は「神隠し」ではなく
藤田直哉氏のエントリー「システム改変的想像力の作品群」(http://d.hatena.ne.jp/naoya_fujita/20090804)が、最近ぼんやり考えていたことに近かったので、以下メモを。 宇野常寛は『ゼロ年代の想像力』で、「九〇年代のセカイ系(ひきこもり)から〇〇年代のサバイヴ系(決断主義)へ」というアウトラインを描いた。一九九〇年代の想像力は「ひきこもり系」「セカイ系」であり、『エヴァンゲリオン』『涼宮ハルヒ』等に代表される。これに対し、二〇〇〇年代の想像力は「サバイブ系」「決断主義」によって特徴付けられ、『DEATH NOTE』『コードギアス』等に代表される。《「引きこもっていたら殺されてしまうので、自分の力で生き残る」というある種の「決断主義」的な傾向を持つ「サバイブ感」は、ゼロ年代前半〜中盤の大きな流れになっていく》。 九〇年代の批評を牽引した批評家の東浩紀(とその
目下ストレートに答えておきたい問題があります。しかし残念ながら、それはまだ今の私の手には余る作業です。そこで、それは置いておいて、少し回り道を書いておきます(昨晩、水村美苗『日本語が滅びるとき』買ってきたので書くかもしれません)。 この文書で私が言いたいことは、明治の文豪はまさに今、読むに足る面白さを提供しているということです。 危機から脱し続けた日本グローバリゼーションが進行しつつある現在、私たち日本人は世界的な金融と IT の波に飲み込まれるかのようです。昭和という時代を通じて国民を守ってきた国境は、その役目を終えつつあるかように見えます。日本の没落を前にして、私たちは底知れぬ恐怖と危機感に襲われています。 これを黒船来航から明治維新に喩える人があります。また先の対戦の敗戦に喩える人もありましょう。枠組みは同じです。欧米は巨大であり、その前に日本はあまりに弱く、先が見えなかったのです。
ある普通の女がいた。 彼女は父がサラリーマン、母が専業主婦というありふれた家庭に生まれた。 彼女の顔はとりたてて美人でもなく、しかし不細工とも言えなかった。 また知性も人並みで公立の小、中、高を出て、そして偏差値50の地方公立大に合格した。 そして大学時代に知り合った男と卒業して4年後結婚した。その男も普通のサラリーマンだった。 結婚後彼女は主婦となり人並みの幸せを獲得するに至った。何の破綻も無い平凡な人生。 だが、彼女は事件を起こした。 近くにあるショッピングモールで3人を殺傷したのだ。 彼女はどこにでも売っているありふれた服を着て、ありふれたサングラスとマスクで顔を覆い、 ありふれた包丁でありふれた奇声をあげて人を殺めた。 もちろんマスコミは連日この事件を取り上げた。 人並みで平凡でそして幸福な生活を送っていた主婦に潜む心の闇。 それは多くの人の関心を惹いた。果たして動機は、真相は?皆
2006年09月18日01:15 カテゴリ 家畜人スプー 何とも意味ナシのタイトルになってしまったけど、これ見てムラムラと紹介したくなったので。 家畜人ヤプー 沼正三 FIFTH EDITION: 女性のための男性入門男性(あるいは人類Xy染色体タイプ) 天下の奇書。 白人至上主義の未来、日本人は、文明の各分野になくてはならない家畜人ヤプーとなっていた と一行でまとめるとなってしまうのだけど、とても一行でまとめられるのではない。読んでない人はとにかく嫁!!としかいいようがない。 そこにおけるヤプーというのは、食物であり、便器であり、計算機であり....とにかく家畜を通り越して徹底的に道具となっている。しかし家畜であり、知能も有するのでちゃんと食物には食物としての、便器には便器のしての教育がそれぞれなされる。その描写がまたすごいのだ。 これが単なるディストピア小説と思いきやさにあらず。各方面
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