本家記事より。グラフェンという物質では熱振動が電子伝導に極めて小さい影響しか与えないことが、メリーランド大学の研究によって明らかになったそうです。グラフェンとは原子1つ分の厚さのグラファイトのシートから成る、半導体と金属の両要素をあわせ持つ物質で(以前のストーリ)、ポストシリコンとしても期待されています。電子の移動しやすさを示す移動度(mobility)では通常の室温において200,000cm2/Vsにも達し、既存の半導体で一番高い電子移動度をもつアンチモン化インジウムの77,000cm2/Vsと比較しても非常に高い値を出しています。また、室温での電気抵抗率も銅と比べ35%ほど低く、より高速なチップや生科学センサなどの技術への応用が期待されるとのことのことです。 Computerworld記事によると、既にIBMと日立はグラフェンを使った原子レベルトランジスタの共同研究を始めているようです