東日本大震災の発生で、地震や津波の想定は大きな見直しを迫られました。過去の痕跡の調査から浮かび上がってきたのは、数十年から100年単位で起きる大地震の周期とは別に、広域に甚大な被害をもたらす“超”巨大地震ともいえる地震が数百年単位で起きる、「スーパーサイクル」という周期の存在です。この10年の研究で、日本の沿岸の各地に「スーパーサイクル」が存在し、しかも、発生が切迫しているおそれのある場所も見えてきています。 産業技術総合研究所の宍倉正展研究グループ長は、東日本大震災の直前、過去の地層からかつてどのような津波が襲ったかを推測する津波堆積物の調査などから、当時想定されていた大地震をはるかに上回る、「スーパーサイクル」の巨大地震と大津波が東北の沿岸に切迫していると考え対策の必要性を訴えていました。 しかし、その知見は生かされないまま東日本大震災が発生しました。 「スーパーサイクル」の巨大地震や