いまの時代に日本人の「働くこと」が底流でどのように変質しているか。事実を丁寧に追っていきたいと、私たち取材班は考えました。 けれども、全体像をマクロ的にとらえる作業と、一人ひとりの思いを描く作業を同時に進めるのは容易ではありません。「働く」という行為は多分に個人的なものだからです。ステレオタイプに「現代人の就労観はこうだ」と評論してみても意味がありません。 読んでくださる皆さんが実感を持って、それぞれが考える素材になるように・・・。できる限り実名、実年齢を記載し、その人の働きぶりや心情に迫り、時には家族との軋轢や精子をめぐる葛藤も描き、限られた行数で人々の「人生」が凝縮した働きぶりを伝えようと試みました。 『働くということ』 〜はじめに P.iv〜 会社にいても、独立して外にでても、どんな職業も地道に頑張ることは一緒。人生の最大の楽しみは一所懸命打ち込む充実感やしね 『働くということ』 〜