最近は、クラウドについて様々なオーディエンスに向けて講演する機会が増えている。そこでよく聞かれる声は依然として「クラウドは何だかよくわからない」というものだ。 このような声が聞かれる最大の理由は、クラウドの定義が業界において確定しておらず、話す人やベンダーの立場により、自分に都合の良い定義を行なってしまうことがあるだろう。 「ネットワークという雲から降ってくるコンピューティングサービスを利用する」という基本的な意味については統一が取れていても、そこから先の細かい定義が各人各様になってしまうということだ。 クラウドの基本的概念については、本連載の第9回で述べた。また、「クラウド」という言葉が、過去からある多様な概念を総称したものであることについては、第10回で述べた。 今回は、クラウドの定義をもう少し整理してまとめ直してみよう。ここ数ヶ月の間にも業界のクラウドに対する見方は変化しているからだ