最近話題の年金問題,金融系企業の大規模統合/合併,預金のペイオフ対応,などなど──これらのシステム対応に共通する,ある重要な技術がある。「名寄せ」である。異なるシステムのデータを統合するとき,規制やルールによってデータを作り直すとき,顧客情報などの名寄せは常に大きな問題となる。 メインフレームの時代から,システムを作ったり,改変したり,統合したりを繰り返してきたベテラン技術者であれば,何を今さらと思うだろう。特に金融系システムの開発者やデータベース管理者などにとっては必須知識に近い。ベテランでなくても,何らかのシステム統合やデータ移行に携わった経験があれば,名寄せの作業を見聞きしたことがあるだろう。 しかし,そうしたシステムや現場にかかわったことがない開発者/技術者の中には“名寄せ”と聞いても何のことかわからないと言う人もいる。また,最近話題になってから,言葉を知ったという人もいるかもしれ