ロスコー・アーバックルという名前のコメディアンを諸君は御存知であろうか?。「でぶ君」の愛称で我が国でも親しまれ、全盛期にはあのチャールズ・チャップリンと人気を二分にしたという。サーカス芸人だったバスター・キートンに映画入りを勧めたのも彼である。淀川長治氏によれば「ニコニコ大会」という当時の活動喜劇フェスティバルでは、アーバックル、チャップリン、ロイド、そしてキートンの4人のフィルムがかからないと観客は納得しなかったという。ところが、現在、喜劇王といえばチャップリン、ロイド、キートンの3人とされている。アーバックルは何処に行ったのだ?。 ロスコー・アーバックル、通称「ファッティ・アーバックル」は1887年3月24日、カンサス州スミスセンターに生まれた。ホテルの雑役夫からボードヴィルの芸人に転身。150キロの巨体に似合わぬ鋭敏な動きで人気者となり、「ドタバタ喜劇の父」マック・セネットにスカウト