参院選のさなかに英国のEU(欧州連合)離脱決定が与えた衝撃は、選挙戦における各党の訴えにも変化をもたらしている。与党は消費増税先送りの判断が正しかったと強調しつつ、経済の混乱回避に全力をあげる。野党は、株高頼みだったアベノミクスの「失敗」として攻めている。 首相「準備すでにしていた」 安倍晋三首相は25日、仙台市内の街頭演説で「伊勢志摩サミットで、日本は議長国として、新たなリスクに陥ることを回避するため、あらゆる手段をとらなければならないことをまとめた。準備はすでにしていた」と強調した。 首相は5月下旬の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)の後、「世界経済が危機に陥る大きなリスクに直面している。財政面での対応も含め、あらゆる政策を総動員する」などと語り、消費増税の先送りを決めた。首相の演説の言葉は、自らの判断が正しかったと強調するものと言える。菅義偉官房長官も25日、山形県米沢市