[50]「三方悪し」の扶養照会は抜本的見直しを~権利と尊厳が守られる生活保護に 『利用者・親族・職員』どの立場の当事者にもマイナスの実態判明 稲葉剛 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科客員教授 例年のことだが、年末年始の取材ラッシュが終わると、生活困窮者支援の現場には静けさが戻ってくる。 毎年、この時期になると、「マスメディアにとって貧困問題は季節の風物詩扱いなのか」という思いと、「年末年始だけでも注目をしてくれるのであれば、それで良しとすべきなのか」という思いが交錯をしてしまう(一部の報道関係者が努力を続けてくれていることは承知しているが)。 民間の努力は限界に近い。公助を叩き起こす必要 しかし、社会的な注目が薄らぐ中で、支援を求めて現場に集まってくる人の数は増え続けている。 東京都内各地でホームレス支援団体が定期的に実施している食料支援の現場では、年が明けてからも集まる人が増加し