英国の地図製作者フレデリック・ローズ氏が1900年に作成した有名な1枚。ロシアが巨大なタコとして描かれている。(MAP COURTESY THE MAP HOUSE) 地図には時として、作成者の意図が、微妙な情報の取捨選択によってひそかに反映されていることがある。だが歴史を振り返ってみると、もっとあからさまな方法でメッセージを伝える地図がさかんに作られた時代もある。(参考記事:「戦争から参政権まで『訴える地図』9選」) ロンドンの古地図専門店、マップ・ハウスで開催中の「戦争地図展」に展示された地図は、いずれも明確なメッセージを担っている。戦争のプロパガンダに使われたこれらの地図は、敵国の邪悪さを大衆に吹き込んだり、戦争には勝ち目があり、犠牲を払うにふさわしいと納得させたりするために作られたものだ。多彩な地図には、20世紀前半に起こった数々の戦争に参加していた各国の政治、文化、芸術の状況がよ