質量単位の新定義となる定数を超精密に測定することに成功したと、産業技術総合研究所(産総研)がこのほど発表した。産総研のほか海外の研究機関も同様の測定に成功している。質量の単位「キログラム」はこれまで約130年もの間、世界に一つしかない金属製の「国際キログラム原器」が基準になってきた。来年11月の「国際度量衡総会」(CGPM)で産総研などの測定により信頼性が確認された定数が質量単位の新定義として採用されると、長い間使われてきた原器は不要になる。 産総研などによると、「質量1キロ」は1889年以降、フランス・パリ郊外にある「国際度量衡局(BIPM)」に保管されている国際キログラム原器が基準になってきた。しかし長い時間を経て原器表面のわずかな汚れなどで1キロからごくわずかに変化することが分かり、信頼性が問題になっていた。かつては長さの基準も「メートル原器」に基づいていたが、レーザー技術が進歩して