身体障害者の長女(58)を介護する男性=埼玉県志木市=が、介護者も鉄道・バス運賃が半額になる制度の説明を受けなかったため余計な運賃を支払ったとして、志木市に約1万円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京高裁は9月30日、請求を棄却したさいたま地裁の2審判決を取り消し、同地裁に審理を差し戻した。加藤新太郎裁判長は「自治体には介護者の割引制度も説明する義務がある」と認めた。同地裁で損害額が審理される。 訴えによると男性は06年1月、市役所で長女の身体障害者手帳を受け取った際、長女の運賃半額について説明を受けたが、介護者も同じ扱いになるという説明は受けなかった。JR職員から制度を教えられた同11月までの間に、山形県や福島県に介護者として旅行した際の鉄道料金について、割引価格との差額分の支払いを求めた。 1審でさいたま簡裁は市に全額支払いを命じたが、2審のさいたま地裁は「介護者の割引は付随的制度に過