1980年代ハリウッドの青春映画のスターとして活躍する一方で、23歳のとき『ウィズダム/夢のかけら』で監督デビューを果たしたエミリオ・エステベス。以後、監督として着実にキャリアを重ねてきた彼が、最新監督作『パブリック 図書館の奇跡』では、公共図書館を舞台に、ひとつの大きな問いを投げかける深みのある社会派ドラマを作り上げている。 ふと目にとまった公立図書館をめぐる現実を記した新聞記事 はじまりはふと目にとまった新聞記事だったという。 「元ソルトレイクシティー公立図書館アシスタントディレクターのチップ・ウォードが『ロサンゼルス・タイムズ』誌に寄稿したエッセイ(※2007年4月1日掲載)に目が留まったんだ。 そこにはいま図書館がホームレスの人々のシェルターと化していること、彼らの窮状、対している公共施設の問題や役割など、率直な意見がつづられていた。 読後、『これは映画になる』とは考えなかったんだ