4月12日午前0時、村上春樹さんの新刊「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」(文藝春秋)が発売された。東京都渋谷区の代官山 蔦屋書店では「世界で一番早く読めるカウントダウンイベント」が開かれ、タイトルと値段だけで内容が一切明かされない本を求めて、約100人の「ハルキスト」が寒空のなか集った。 写真特集はこちらから 11日深夜、同店のバックヤードでは書店員があわただしく段ボール箱から本を取り出し、陳列棚にぎっしりと並べていた。段ボール箱に書名が印刷されているのは部数の多い本に限られ、「ハリー・ポッター以来ですかね」(書店員)。仕入れ冊数は公開されなかったが、「とにかくいっぱいありますよ」と手を動かし続けた。 0時に本を手にした人たちはすぐに帯に目を落とした。「良いニュースと悪いニュースがある。多崎つくるにとって駅をつくることは、心を世界につなぎとめておくための営みだった。あるポイントま